安曇野ワイナリー

経営破綻した安曇野ワインの施設を引き継ぎ、樫山工業が手がける新生「安曇野ワイナリー」がいよいよグランドオープンを迎える。オープン直前の慌ただしさに包まれた旧三郷村のワイナリーを訪ねた。

旧安曇野ワインの設備をまるごと買い受けた安曇野ワイナリーの年初から始まった施設内の一連の整備は「リストラクチャー=システム再構築」とはこういうことか、と目を見張る物があった。精密機械製造業の樫山イズムの整理再構築は要・不要の仕分け、順序、スピード感が、工業的ノウハウの上で実にシステマティックに進んでいる。まだ雪が残る3月に敷地内の多くを占めていた松林を開墾、ダムの底砂を移入しての土壌改良。3000本のブドウの苗木の植樹、同時進行でセンターハウスの新築、旧地ビール工場からワイン醸造場への改修、新商品の開発、デザインなど、半年では成し得ない事柄を進める力量は流石と言うしかない。「毎日が全力疾走です。全てを同時進行しなくてはならないですから。スタッフの頑張りにも感謝したいですね」と小林龍義支配人。新たなワイン醸造には、醸造のカリスマ戸川英夫氏を迎え、優れたワイン作りも始まろうとしている。数年後には自家栽培の原料からテロワールを醸すワインが誕生する事も確実だ。7月23日のグランドオープンからは、ワイン畑や安曇野の風光を楽しみながら過ごせる、観光拠点として大いに賑わうことだろう。「ここを足がかりに、上高地や安曇野穂高、白馬方面の観光地へと多くの方が周遊してくれたらいいですね」と小林支配人は周辺観光振興への可能性も語った。

この記事は(株)まちなみカントリープレス出版のKURAに掲載されたものです。