安曇野ワイナリー

誕生物語

自社醸造赤ワインが誕生。美味しい新作ワインが続々と発表されていく

12月、安曇野ワイナリーでは自社醸造第2号のワイン、「コンコード2008」が発売された。初陣の「ナイアガラ2008」はスタッフが想像していた以上の好調な出足だ。フランスから醸造用の木製樽もいよいよ到着。蔵内では2009年に発売されるワインたちが順調に仕上がりつつある。

ワイナリーの第2弾、「コンコード2008」が醸造家・戸川英夫氏と小林龍義支配人が見守る中、瓶詰めされていく。長年醸造に関わってきた戸川氏でも瓶にワインを詰めるまでは毎回緊張の連続なのだと言う。「クリアで雑味のないワインづくり」を使命とするワイナリーだけに、醸造タンクでの出来が良くても、瓶に詰めた状態、言い換えれば消費者が口にする段階での仕上がりがもっとも気になるところなのだ。透明感のある赤い色とフレッシュな香り、見た目そのままに新鮮な味わいのワインである。

そして白、赤に次ぐ第3弾は「メルロー・ロゼ」。「クリスマスの乾杯に間に合うように」という戸川氏の粋な計らいもあって、クリスマス前の発売を予定している。

華やかな若々しいワインが誕生する一方で、蔵内のタンクの中にはゆっくりと時間を掛けて造るワインも沢山ある。繊細な香りの「シャルドネ」、柔らかいブーケの「メルロー」や「カベルネ ソービニョン」、とろけるような甘みと華やかな香りの「氷結 ナイアガラ」はそれぞれのタンクの中で熟成を重ね、瓶詰めされる日を待っている。

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大きなタンクの傍ら、木製樽の中で時を重ねている「龍眼 2008」はバレルファーメーテーション(樽発酵)という手法で、樽内のガス抜き用の発酵栓からは時折ボコッと大きな気泡が上がり、順調に発酵が進んでいることが伺える。樽発酵はアルコール度数が増すのと同時に樽材のホワイトオークが複雑な味と香りをワインに醸していくのだという。「何十年もの貯蔵に耐えうる、力強いワインになるはず」と言う戸川氏の言葉に思わずうなずいてしまうほど、すでに濃厚な甘みと香りがただよう。これらのワインは、来年の夏頃までには出荷を予定しているとあって楽しみは尽きない。

自社農園のブドウ畑はすっかり冬の風景だが、ワイナリーにはフランスから輸入された木製樽が到着し、2009年の出荷に向けて、忙しさに拍車が掛かっている。

この記事は(株)まちなみカントリープレス出版のKURAに掲載されたものです。